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阿刀田高さんの作品を読み始めたのは高校生の時、
「ナポレオン狂」が最初だったと思います。
それから、「冷蔵庫より愛をこめて」などなど、
阿刀田さんのブラックユーモアははまるとなかなか出てこれなくて。
次々読んでしまったのを覚えています。

でも、今回はもう一つの面のほう。「新約聖書を知っていますか」など、
世界各国の古典を読み解いたエッセイでも多数の作品があるのですが、
そちらのほうに属するのではないでしょうか。

この「ものがたり風土記」は、日本各地に伝わる「ものがたり」を
実際にその地を訪れて探っていき、昔の作者、伝承者達に思いを馳せ、
「小説」とは何か?というところまで、追求していく。。。
単純に楽しめました。
ものがたり風土記 ものがたり風土記
阿刀田 高 (2000/02)
集英社
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出版社/著者からの内容紹介
日本各地に古代から伝わる物語、民話、童話、小説まで、その舞台となった縁の町、都市、地方を訪ね、歴史に埋もれた“ものがたり”と人物の真実、実像を蘇らせる紀行。近江、薩摩、越後。知的な新発見溢れる旅!

古くから伝わるものがたりの舞台を訪ねて行くのですが、
フリーライターの「市さん」との2人旅。
約束事は事前にその土地に関するものがたりを調べておくこと。
なので、とにかくたくさんの、古典から小説まで日本各地に留まらず、
世界各国のものがたりが登場します。
昔話には同じようなストーリー展開のものがいくつかある、、、
では、世界ではどうだろう?というように。
ああそうかぁ、と納得したり、そこまでいくか!と驚いたり。
とにかく読む側を飽きさせません。
いくつか気になった文章を引用すると。。。

「源兵衛の首」、はたまた「ザビエルの腕」等など、
何箇所かに伝わっているものがありますが、、、

伝説・昔話・・・各地に伝わるもの、どれが本当かと探りたくなるが、
根底を流れる、もっとも伝えたいもの、それを広く知らしめるため
と言うことであれば、どれもが本当と言うことでいいのではないか。
~中略~
汎庸な事実よりも事実の底に伏在する真実の方が大切な時がある
それを書くことこそがまさに小説家の本懐ではないのか。



安徳天皇・豊臣秀頼・義経・アーサー王まで○○生存説というのも
また、各地に伝わっていたりします。

死んで欲しくないヒーローたちはいろいろな形で生き続ける。物語でしかできない芸当だ。
小説の存在理由はこんなところにも伏在しているのかもしれない。



それらのものがたりを踏まえて、今度、使ってみよう。
見たいな事も何箇所か書かれています(^^)

物語にはパターンがある。それは地域を越え民族を超え、人間の脳みそが好む形式と言ってもよいだろう。
昔話のレベルではおおむねたわいないが、手を加えると、良い短編小説に育つことがある。


その「手を加え、育てる」のが難しいのでしょうが。
阿刀田さんなら、うまい具合に料理してくれそうで、
こちらもまた期待してしまいます。

各地を巡り、色々な物語を読み解きながら、
ものがたりが創られた、底の部分に潜む理由、願望を探っていく。
世界各地に同じようなパターンがあるということもまた興味をそそられます。
現代に通じるものもあるし、それらの「願望」は、
何処にいてもいつの時代でもそれほど変わらないものなのかなぁ。。。
なんて、思ってしまいました。

そんな古代に思いを馳せる一文を最後に。。。

少し寒いけれど快晴。空は薄青く広がって、果てしない。
どう目を凝らしても大空の底を見極めることはできない。
この青空は古代のままなのだろうか。




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2006.10.22 / Top↑
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